次世代弁護士の専門性

本日は次世代弁護士の専門性について書いてみようと思います。

 

従来の弁護士像としては労働法に強い弁護士、M&Aに強い弁護士、会社法に強い弁護士、独占禁止法に強い弁護士と、どちらかと言えば法律をベースとした専門分野の切り分け方が多かったような気がします。あまり予防法務と紛争法務の切り分けもなく専門性ある弁護士がすべてその法律領域について行ってしまっていました。

 

予防法務を行うためには、紛争法務の深い理解は必須であることから、このような専門性を持つ弁護士のニーズがなくなることはないでしょう。

今後はこれから述べる弁護士像にフォーカスはあたると思いますが、従来の弁護士像は非常に合理性があり社会の大きなニーズを満たしていると思います。

 

しかし、今後は新たな切り口の専門性を有する弁護士も誕生していくのではないかと考えております。それは新しいニーズが生まれてきたからです。

 

 

■特定の業界に強い弁護士、

ビジネスモデルが複雑化して、ビジネスのスピードも上がっていることから業界に強い弁護士も求められている傾向があります。

業界に強い弁護士との会話は話が早いというのもありますが、同業界の事例が修正記されていることから判断も仕事も早くニーズに場面が多いです。

 

特にIT企業がインハウス弁護士を規模の割には抱えているところが増えているのもその傾向の表れではないでしょうか。

あくまでもクライアントのニーズありきの仕事が弁護士だと思うので、そのようなニーズが出てきているということは業界に強い弁護士を業界として輩出していかなければならないでしょう。

 

IT業界のみならず、別の業界に詳しくなる弁護士になることは潜在的にマーケットを狙うには一つの取りうる選択肢ではないかと思います。

業界を学ぶ方法はいくらでもあり、座学でできるところまで詰め込んでも差別化はできるでしょうし、インハウスになるのも一つ、通常の弁護士業務の延長線上で深く入り込むのも一つでしょう。いずれにせよビジネスと法務を融合させられるレベルまでもっていかなければなりません。

 

 

■特定の国に強い弁護士、

海外展開が加速していくことからも国際業務に強い弁護士のニーズは高まってます。

 

従来は海外はばっくっと捉えられてきましたが、今後はより細分化して国ごとの深い専門性が求められるようになるでしょう。深い専門性は、特定の国の法律のみならず、文化、国民性、地理、歴史、政治等の様々な領域で求められます。このような日本の弁護士と特定の国についての深い理解が掛け算の価値を生み出せれば、日本企業に大きく役に立つことになるでしょう。

 

アメリカ・EUや中国については伝統的に日本企業が進出を進めていたことから現地にいたり詳しい弁護士もいますが、東南アジアを中心とした新興国については現地に土着した弁護士は希少性があることから第一人者になれる可能性は高いでしょう。

 

 

■成長モデル

「特定の業界」や「国」に強い弁護士の成長の方向性ですが、単純にインハウスになれば特定の業界に強い弁護士になれる、単純にその国に行けば現地に詳しくなれるからその国に強い弁護士になれる、という単純なものではないと考えてます。現在では希少性があることからある程度は通用するかもしれませんが、長い目で見ると、業界の場合は法務部・インハウスとの差別化、国の場合は現地の弁護士、コンサルタントとの差別化が必要となってきます。

 

「ある業界×日本の弁護士」、「ある国×日本の弁護士」という価値を最大化するためには、まずは日本の弁護士としての足腰をしっかりとすることが大前提になるのではないかと思います。

そうでなければ、ただ法律に少し詳しいビジネスマン、ある国に詳しいコンサルタントとの差別化ができずに日本の弁護士であることの価値との掛け算ができないからです。

 

この仮説が正しいかの検証は10年以上かかるかもしれませんが、10年後に弁護士の専門性がどのように語られているかが楽しみです。

 

近々、またブログで書こうと思いますが、単純に法律に詳しいビジネスマン、単純にその国に詳しい弁護士を超えるための答えはGVAの組織体制にあると思ってます。

 

 

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