監査法人による弁護士法人設立が加速しています。
Pwc弁護士法人
http://www.pwc.com/jp/ja/legal/index.jhtml
EY弁護士法人
http://www.eyjapan.jp/about-us/law/
DT弁護士法人
http://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/legal/dt-legal-japan.html
監査法人や会計士はクライアントとの接触機会が多く、財務や税務関係のコンサルティングサービスを行っていることから、これに法務サービスを追加するために弁護士法人をもつというのはかなり理にかなってますね。何より資金力もありますし。監査法人による弁護士法人はクライアントに対する窓口を押さえていけることから大手法律事務所にとってはクライアント獲得でも人材獲得でも強力なライバルになりえますね。デューデリとかもビジネス、会計、税務、法務を同時にやったほうが効率も良いですし価格も下げられると思うので、かなりのパイを持って行かれる可能性があります。
弁護士業界の最大の脅威は社内で法務サービスを内製化する「インハウス弁護士」か、「法務ドキュメントを食いまくった人工知能」だと思ってましたが、本命はこちらかもしれませんね。
ベンチャー業界で勢いがあるトーマツベンチャーサポートあたりが弁護士法人を活用してベンチャーサポートやりだすと圧倒的な資本力と人材で窓口を押さえられていることから、ベンチャー弁護士業界にとっても脅威になるに違いありません。IPOを中心としたベンチャーサポートはトータルサポートであることから法律以外のサポートも求められていることから、理にかなっているのだと個人的に思ってしまいます。もちろん、資本力とネットワークで海外展開進出支援も可能ですしね。
なんか監査法人による弁護士法人の回し者みたいにべた褒めしてますが弁護士業界に身を置くものとしては優秀な弁護士が一気に流れていかないか本当に脅威に感じています。
優秀な弁護士はみんな監査法人に参画して独立系の法律事務所は細々とやっていくみたいな時代がくるのは、全然面白くないですよねー。四大事務所の創業者達はそんな時代が来たらどう考えるのでしょうか。一弁護士としても一人の人間としても法律事務所が監査法人に負けないようにはしたいと率直に思います。もうすでに監査法人は世界的なネットワークを築いており完全にインフラとなってます。ライバルはデロイトトーマツとかになると次元が違うくらい大きな相手になりますが、どれだけ大変でも一時的に傷ついても根気よくトーマツに負けないくらい強固で大きなインフラを作って逆に監査法人を傘下に置くくらいのことを目指してやりたいと思います。
あんまり自分が弁護士であることを考えたことも感じたこともなかったですが、監査法人という脅威にさらされたことで弁護士というアイデンティティーが芽生えてきたような気がします(笑)この強烈な外圧の中で日本の弁護士が危機感を感じて劇的な進化を遂げる可能性もあります。業界として「法律事務所にしかできない価値の創造」と「法律+αの価値を創造」することを考えるいい機会なのではないかと思ってます。
法律事務所の業界は泥船で逃げたもの勝ちみたいにならないように、偉大なる先輩弁護士が作ってきた業界の思いを引き継いで、後世の弁護士のためにもGVAをしっかりとした受け皿となれるインフラにしていきたいと思います。