あけましておめでとうございます。
GVA法律事務所の山本です。
年末年始は日本を離れてロンドンでGVAの超長期的戦略を考えてきました。歴史に関する本、未来予測に関する本、技術の進化に関する本を読み、現代世界の源流を作った大英帝国の空気を吸いました。現役でいられる2050年を基準として歴史の理解を基礎にGVAがどうあるべきかについて考えました。
2050年の世界はどうなっているか?
2050年の世界はどうなっているべきなのか?
35年後の世界は今想像できることはすべて可能になっているかもしれません。
GVAは「IT化」と「グローバル化」に対応するための法律事務所であると説明することが多いのですが、基本的には2050年を考える際にもこの二軸で捉えていければと思います。
【科学技術の発達という視点】
「IT化」としてしまうと、2050年を考えるにおいて少し範囲が狭くなってしまうので、範囲を広げて「科学の発達」という形で置き換えます。現在もわかりやすく進んでいるIT化、その他にも人工知能の発達、医療の進化、ナノテクノロジー、エネルギー、宇宙等、世界を大きく変える可能性に満ち溢れた科学の種が存在しています。
特に人工知能に関しては大きく世界を変える可能性があります。2015年はIoTが大きな話題になりそうですが、日々の生活がIT化され日常的な生活から得られる行動履歴がビッグデータとして蓄積され、標準的な判断ができる人工知能が開発されていくでしょう。またGoogle Glass等のウェアラブルデバイスからも様々なビックデータが集積されより生活に密着した人工知能も開発されていくでしょう。
産業革命の次に来ると言われるロボット革命によってロボットに負けた人間は職を失う可能性があります。また、一説にはロボットが人間を超えて人間をバグとみなして人類を滅ぼすという可能性が指摘されています。個人的には人間の無限の可能性があるので、ロボットには超えられない何かが人間にはあると信じてみたいです。
法律に関連して言えば、人工知能によって法律のリサーチの簡易化、契約書等の法律文書の作成の簡易化、証拠収集のデジタル化等によって弁護士の役割が大幅に削減される可能性があります。(アメリカではすでに活用されているようです)
人工知能を中心として科学が発達するについて法律という歯止めがないと倫理的にも結果的にも科学の暴走を許してしまう可能性があります。そこで、国家の法律及び国家間の条約が非常に重要な位置づけを占めることになるでしょう。
【グローバル化という視点】
「グローバル化」については今後も留まることなく進んでいくでしょう。特に2050年あたりを考えると確実に中国とインドの時代が到来しているのではないかと思います。そうすると必然的に周辺国家が活性化するのでアジアの時代が到来することになるでしょう。ただし、現在アメリカが握っている覇権も瞬間的には移動はしないので覇権が移動する過程である20年~30年はアメリカ、中国、インドの3大覇権時代になるのではないかと考えます。アメリカだけを見ても中国だけを見ても世界を捉えられない時代をどう生きるかが直近のテーマとして重要な気がします。
今後の世界の人口の増減と、年齢構成のバランスから考えると、日本は人口減、高齢化社会の到来となります。欧米もほぼ同様でしょう。中国は経済的には伸びていくものの人口の増加は意外とすぐに止まり高齢化社会が到来する予測のようですね。今後の20年~30年間、人口ボーナスを受けるのはインド、東南アジア、アフリカということになります。これらの新興国についてもどう扱うかは今後の時代を生きるテーマになるのではないかと思います。
日本は人口減、高齢化社会が進むことから、日本企業は新たな市場を求めてグローバル化をますます進めていくことが予想されます。特にIT企業は製造業よりも海外展開を迅速にすることが可能なため、起業時から世界を目指したベンチャー企業もどんどん生まれてくるでしょう。近場の東南アジアを狙うベンチャーも増え、アメリカ、中国、インドという超大国に挑戦するベンチャーも今よりもずっと増えると思います。本当に良いものなら瞬時に世界に広がる可能性がある反面、グローバル競争が加速していく中で情報格差を利用するビジネス等は駆逐されてしまうのではないかと思います。
【科学の発達×グローバル化】
このような「科学の発達」と「グローバル化」のかけ算で多種多様な業種業態のビジネスが誕生することが予想されます。それは業種業態の境目なくあらゆる業種業態が競合になる可能性を秘めているでしょう。もしかすると、日本最大の企業であるトヨタのライバルはアフリカのタンザニアにあるITスタートアップかもしれません。
いずれにせよ、ライバルに先行してビジネスを進めるためには、企業のビジネスを規制する法律の壁をいち早く分析して突破しなければなりません。世界のあらゆる企業にとって「科学の発達」をビジネス化した最先端のビジネスモデルに対応し、かつ、特にアウトバウンドを重視した「グローバル化」にも対応した法律事務所を活用することは、さらに激化するビジネス戦線を勝ち抜いていくうえで必須でしょう。
もう一点ライバルに先行してビジネスを進めるために歴史的に重要な視点があります。言語、法制度、文化等大英帝国時代のインフラが共通していたり、華僑、印僑のネットワークがあることの優位性です。日本は海外に対して共通するインフラも和僑というべきネットワークもほぼないことから乗り越えるべきハードルは高いですが粘り強く一つ一つ文明の交差点をしっかりと押さえて展開していくべきでしょう。
【ハイパーローカル×超専門性×宇宙】
グローバル化とは、逆の視点となりますが、ますます「ハイパーローカル」と「超専門性」も発展していくのではないかと思います。グローバルスタンダードの中で勝負していくためには勝ち組に入らないと敗者になってしまいますが、その中でも各ローカルに最適化された「ハイパーローカル」的なビジネスも発展していくのではないかと思います。法律の世界でも一部の分野に特化した「超専門性」というべき領域が発達していくでしょう。
さらに、2050年となると、宇宙も意識せざるを得ないでしょう。宇宙を活用したビジネスや宇宙に関する権利関係も定まっていくではないかと思います。
2050年の世界を想像してみたので、次は2050年にGVAがどういう組織であるべきかについて考えてみようかと思います。
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