企業法務の法律事務所 発展の歴史と次の10年

 

最近は企業法務を中心とする法律事務所の歴史を学んでいます。

 

今の4大法律事務所の原型を作った弁護士たちは、真に日本の弁護士業界の未来を考えてアメリカに最先端の法律を学びに行ったようです。
そして、アメリカのローファームに追いつくために日々の鍛錬を重ねたようです。

 

それに加えて、日本の高度成長期が重なり、外国企業の日本への投資及び日本企業の海外進出がはじまったため、企業法務・渉外業務の需要が増加したことも要因としてあげられるでしょう。

 

そして、4大事務所の原型となったどの事務所にも言えることですが、弁護士個人のみに知識と経験を蓄積させるのではなく、法律事務所を組織化することにより個々の弁護士の専門性を高め、個々の弁護士の知識や経験をのちの世代に承継させることにより、法律事務所を存続させクライアントに永続的にサービスを提供するということを理念としてやってきたようです。

 

その過程で、パートナー・アソシエイト・スタッフ・その他すべてに関しての詳細な取り決めを試行錯誤の結果行い、今の4大事務所の誕生となる2000年代の企業法務系の事務所とファイナンス系の事務所の大合併に耐えうるベースを作り上げたのだと思います。

 

2000年代は企業法務の需要が急激に増加し、2000年に100名をはじめて超えたところから現状では300名、400名と一気に弁護士数をここ10年で増加させました。

 

参考までに日本の現在の50大法律事務所です。
http://www.fujimotoichiro.com/law/JLawFirm2012.htm

 

弁護士はどこまでいってもクライアントありきの仕事です。
クライアントを中心としてサービスを提供していない法律事務所は発展しません。

 

「日本にもアメリカのようなローファームを作る」という大きな志のもと、法律事務所を開設しても、時代が合わなければ、4大法律事務所のここまでの成長はなかったでしょう。

 

せっかくなので次の10年に法律事務所がどのような発展をしていくかを予想していこうと思います。

 

未来を語るには歴史を学ばなければなりません。
簡単に見てきた歴史を参考に次の10年はどうなるのでしょうか?

 

僕は大きなポイントは3つあると考えています。

 

西村あさひ法律事務所の西村先生や、長島・大野・常松法律事務所の長島先生が第一線で活躍していた頃はアメリカとの関係が非常に重要でした。
西村先生も長島先生もアメリカのロースクールやローファームで学び渉外業務を弁護士の業務分野として確立させました。前述のように、アメリカ資本の日本進出及び日本の高度経済成長という日本社会の大きな流れにもマッチし当時としては、急激なスピードで法律事務所が発展しました。

 

一つ目は、間違いなく次の高度成長はアジアということです。

 

日本経済の先行きへの不安もあり、今、既にアジア進出ブームです。
今後はさらに、高度成長に伴い戦後日本が培ってきた知識・経験・製品・技術をアジアに向けて発信していくことが重要になってくるでしょう。

 

戦後の高度成長期を支えた偉大なる先人たちが育んできた日本社会、日本企業、弁護士業界の土壌をアジアに向けて発信するときが来たのではないでしょうか。

 

 

二つ目は、今まで人類の歴史になかった大きなものが現在はあります。

ITです。

 

ITが一般市民がまともに使えるようになってから10年あまりで生活に浸透し、急激な発展をしました。今は、IT企業の主戦場もパソコンからスマフォに移行しているくらい急激な変化です。

 

新しいものには必ず新しい法律問題が付きまといます。

 

IT法務のブティック法律事務所は間違いなく、多数、誕生すると思われます。

 

 

三つ目は、日本の社会の構造的問題から来るものです。

 

高齢化社会です。

 

これに関連して、事業承継、医療関係、社会福祉の分野を中心とする法律事務所も伸びていくのではないかと予想しています。

 

いずれにせよ、組織としての知識・経験の蓄積がある4大法律事務所は、さらに社会が求めるサービスを提供する方向で拡大していくのではないかと思います。

 

昔と違い法律事務所の勢力図は生半可では追いつけないレベルまで固まってしまった感があるので、日本の中での弁護士数を争うのは大変だと思います。

 

この勢力図をひっくり返すには、4大事務所のベースを作った組織力・チーム力が必要となるでしょう。ワンマンではなく、信頼できるパートナーが多数いる法律事務所がやはり最終的には永続性を確保できていくような気がしています。

 

そして、生半可を超えるためには、「その時代の社会が求めるリーガルサービスを提供する」「永続性を保つ組織を構成する」「各専門分野をもつパートナーが複数いる」ことを非常に高度なレベルで達成していかなければならないでしょう。

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