2016年6月24日の英国のEU離脱は歴史的な一日として刻まれるのは間違いないでしょう。
英国民にEU離脱を問う国民投票は、51.9 : 48.1 で離脱支持の勝利で終わりました。
http://www.bbc.com/news/politics/eu_referendum/results
当日の時点で既にスコットランド首相が独立を示唆したり、他のEU各国、アジア諸国、日本、そして、アメリカ、中国も各国が様々な思惑の中、一気に動きを加速させています。近年で最も地政学に影響を与える出来事ではないでしょうか。
EU離脱か残留かについては、それぞれの立場からメリット・デメリットがあると思いますが、EU離脱についてネガティブな記事の方が目につきました。特に英国以外は金融への影響を心配してか、かなりネガティブな記事や警告も多かったような気がします。
世界中からある意味で大反対を受けてもEU離脱を選択した英国民は本当に凄い国民だと思いました。さすが7つの海を制した大英帝国のDNAを受け継いでいるだけあると感じました。
ポンドが急落して金融はすでに大きな混乱の渦に巻き込まれてますが、EU離脱という大きな意思決定の後の最低でも2年かかると言われているEU離脱への実行プロセスが待っています。ほぼ半々で意思決定が分かれた後の英国民が実行において一つになれるかが試されているような気がします。そのためには改めて反対派も実行に際して全力を出させるための強力なリーダーシップが必要となります。大英帝国のDNAの真価が発揮されるのはこれからかもしれません。
英国民が決まったことをぐじぐじ言わずにこの2年の間、全力で離脱メリットの最大化を目指す実行力を発揮すれば、大いなる決断をした英国は改めて世界に名乗りを上げるのではないかと思います。
EUの規制から逃れた英国が下記の国々と改めて新生英国の利益になる条約を一気に結びなおすのは間違いないでしょう。
◆インド・シンガポールをはじめとする旧大英帝国圏内の国々
◆アメリカ
◆中国
特に中国とはAIIBの関係もあって何か大胆なことをやってもおかしくないですよね。
個人的には、Fin Techに力を入れている英国がEU金融規制から逃れるタイミングで、Fin Techに関連する条約を締結し直して、Fin Techの観点からシティの価値を再構築し直すのではないかと考えています。
◆シンガポールも英国とFin Techに関する協定を結んでいます。
◆そして英国は2020年に税率が17%になります。
https://www.gov.uk/government/publications/corporation-tax-to-17-in-2020
本当にどうなるかは予測がつかないですが、英国民が一つになって、実行力を最大化できれば、シティはFin Techを活用して既存の金融と異なる形で、さらに圧倒的な世界一に変貌するかもしれません。すでにかなりのレベルで力を入れてますが、EU離脱すれば、さらにFin Techに最適化した政策を打てて優遇政策等で優良なヒト・モノ・カネを呼び込めるはずです。
いずれにせよ、最近はソフトバンクのニケシュ退任、英国EU離脱、さらに朝鮮半島に不穏な動き、トランプ氏台頭等もろもろの大きな世界の動きの種があるので、世界は激動の時代に入っていきますね。少し怖くもありますが、激動の時代に生きることについて少しワクワクもします!
この激動の時代においてGVAの理念である「世界中の挑戦者を支えるインフラ」が何なのかを改めて深く考えてみようと思います。法実務としては、英国EU離脱関連法務、グローバルFin Tech法務が求められそうですが、そこまでやり切れる力が今のGVAにはありません、、、